EU4プレイ日記1「ローマ帝国再興を夢見て」
かつての大国は今、死の間際にある。
ローマ世界の正当な後継者であるビザンツ帝国は、度重なる外敵の侵略により、もはや首都とギリシャの一部の領土を維持するので精一杯といった有様だった。
主要な外敵といえば、東のオスマン帝国だろう。遊牧民だった彼らが国を興して以来、ビザンツとの間では係争が耐えない。最も、もはや係争と呼べるほど両国の差は均衡していなかった。戦いが起こるたびに、スルタンは新たな土地を手にしていく。
西の仇敵といえば、ヴェネチアである。「最も高貴なる共和国」を自称する彼らにより、ビザンツは何度も酷い目に合わされてきた。1204年の第四次十字軍でヴェネチアは、十字軍の兵員輸送を担当した。商魂たくましい彼らは、安すぎる船賃を理由に、なんと同じキリスト教国であるビザンツからの略奪をけしかけたのだ。
教皇の忠実なしもべたちは、富と暴力に目が眩み、コンスタンティノープルに侵攻し、そこで暴虐の限りを尽くした。現代ヴェネチアのサンマルコ寺院にある4頭馬車の銅像は、その際の戦利品であると伝えられている。
(英wikiより)
のちのコンスタンティノス11世となるパレオロゴス・ドラガセスは、長兄であり皇帝であるヨハネス8世とともに、瀕死の病人であるビザンツを何とか支えてきた。
(wikiより)
彼がどのような気持ちでその任にあたっていたのか、今となっては想像するしかない。あきらめの境地にあってもはや死を覚悟していたのか、かつてヨーロッパ世界を支配したローマ帝国の再興を夢見ていたのか。
もし後者なのであれば、それを目指すのもいいだろう。ビザンツはまだ死んでいないし、ドラガセスはまだ、ユリウス・カエサルになれる可能性があるのだ。
これは、ロムルスとレムスから始まったローマが、ビザンツ帝国の名の下、ローマ世界の再興を目指す物語である。
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オスマンとの衝突を見据え、ビザンツは急速に準備態勢を整える。
まず何よりも、同じ志を持って戦ってくれる仲間が必要だと判断した皇帝は、アルバニアへと急接近する。独立保障をかけた上で、外交官に関係改善を命じた。
アルバニアには歴戦の英雄であるスカンデルベグがいた。彼が味方になれば、寡兵でもオスマン相手に戦い抜けるかもしれない。
1445年7月、ついにアルバニアはビザンツと軍事同盟を結んだ。
ビザンツの意図が伝わったのだろう、スルタンはその年の末に、首都コンスタンティノープルの請求権を捏造した。
「どうせいつか戦うのだ、やつらに一泡吹かせてやる」
ドラガセスはそう言ったに違いないだろう。なんとその6日後にビザンツは、オスマン帝国に対し宣戦布告したからだ。
彼らには秘策があった。スカンデルベグにいち早く兵力を融通し、分散するオスマン陸軍を各個撃破すれば、勝利は得られるだろうと。
オスマン領へなだれ込んだビザンツ・アルバニア・アテネ連合軍2万2千と、オスマン主力部隊である2万7千は、ケスリーという山間の町で、合い間見える事となった。
指揮官となったドラガノスにとっては初陣である。強大な敵を相手に、緒戦を勝利することが出来るだろうか。
つづく