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雷は容赦なく大地を削り取っていく。
酸の雨が降り止むことはない。
荒れ果てた大地をさまよううちに、Storkは街を見つけた。
どうやらスケルトンだけで生活をしているらしい。
武器や防具を売っているような店はなかった。
おそらく、訪問者が来ることなど想定していないのだろう。
かろうじてバーが一軒だけあったので、覗いてみることにする。
バーのマスターに声をかけてみる。
「何か人間向けのものはあるか」
スケルトンは首を横にふった。
様々な機械油が店のカウンターに並んでいる。これが彼らにとっての食事になるのかもしれない。
「残念ながら、君が食べられそうなものは何もない。代わりにこの場所について教えてあげよう」
「まあ、教えるべきことなんて少ないがね。我々は、外の生命が無秩序に育ったあと、ここに移り住んできたんだ。何百年も前だから、もうこの街に来る前の記憶を忘れてしまったんだ。ただ一つ確信できるのは、当時に比べてここが安全だということだろう。酸でさびることもないし、紛争地帯からも遠いしな」
「我々の孤立主義における唯一の欠点は、職業がないことぐらいだろう。じっとしていることは、体や精神に悪影響を与えるからね」
どうやら彼らは何千年も前からここで暮らしているらしい。しかし、何も変わらず何も刺激がない生活など、死んでいる事と同じではないかとStorkは思った。
とても、彼らの前では口に出来ないが。
端っこの席に座っているスケルトンにも話しかけてみる。
「また別の人間か。君は百万人目だよ。君達は数百年後に一つに融合するんだ。それか何千年後かな。本を読むように君達のことがわかるよ」
「なんとも愚鈍だ。愚鈍な者がこの死んだ街で希望なくさまよい、他の連中はこの病的な宴会の中、壊れた歯車や足についてぺちゃくちゃ喋ってすごすのさ。はあ」
「この街を離れて楽しく過ごしたいんじゃないか?」
「一度試してみたことはあるんだ。外の世界は面白そうだったけど、遠すぎたから引き返してきたのさ。人殺しは巷にあふれていると聞くし、なんたってあれだ、食人だ。恐ろしすぎる」
「生きるために夢を持ってはどうだ」
「私も夢を持っていたが、どれも良い結末になっていない。夢とはばかげたものだ、君にもお勧めしないよ」
「一緒に働いてみないか。きっと充実した毎日をおくれるぞ」
「わかった、一緒に行こう」
こうして、新たな仲間が一人加わった。
雨は一向にやむ気配がない。
今日は疲れたしベッドを借りて休むことにしよう。
帰り道でも不思議な風景を見かけた。
これが一体なんだったのか検討がまったくつかないが、おどろおどろしい見た目から、作られた理由は何となくわかった気がした。
朽ち果てた建造物の間を抜けて、
酸の川のそばを横切り、
Dust Banditたちをトレインしながら、
ようやくUnityに帰ってくることが出来た。
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Storkが街に戻ってきてから、俺達は話し合った。
古代のアーティファクトのお陰で、軍事力は相当強まってきた我々の次の目標は「近隣の奴隷解放」となった。
Slave TraderやSlave Hunter、そしてManhunterの拠点を見つけ、これを撃滅する。
最終目標はHengの南にあるStone Campだ。
念入りに準備をした後、Storkを隊長にした遊撃部隊は出発した。
つづく。
次回はこちら。