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この荒地には、反乱奴隷や人さらい、奴隷狩りなどの悪人が掃いて捨てるほどのさばっている。
しかし、我々に危害を加えようとするのは彼らだけではない。
United Citiesを自称する帝国もまた、その一つだ。
「帝国の徴税人だ!今すぐ出て来い!」
護衛のサムライを引き連れて、帝国の徴税人がやってきたのだ。
「市民よ、今週の税金を払いなさい。今回は3,000キャットだ」
「なぜ税金を払わなければならない?俺たちは帝国の世話になっている覚えはないぞ」
「はあ、まったく物分りが悪いやつだな。あんたがちっぽけな町を帝国の領内に建てたからだよ。あんたは交易で利を得て、帝国の軍隊の保護を受けてるんだ。しかも帝国の土地で勝手に農業をしているよな。これは帝国から盗みをしているのと一緒だぞ」
「もしあんたが泥棒として扱われたくなかったら、帝国への税金を払ったほうがいいぞ。たった3,000キャットじゃないか」
徴税人が言うところも確かに一理あるかもしれない。しかし、この荒野を開拓するのに帝国の助けを乞うた事はないし、もし帝国軍が軍として機能しているなら、人さらいや奴隷狩りたちに半ば怯えて生活することもないだろう。それに、3,000キャットは我々にとってあまりに大きな金額だ。だが、帝国に逆らうことの愚かさは誰にでもわかることである。
銅を売って貯めたなけなしの3,000キャットを、おれは徴税人に渡した。
「ああ、最初から払えばいいんだ市民よ。また来週も来るからな」
そういって徴税人は去っていった。
腹をすかせた仲間達になんて説明すればよいのか、俺にはわからなかった。
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「諸勢力と渡り合う実力を持つ」
この目標に向かって俺たちは走り続ける。
そのためにはまず何より、人手が必要である。
皆が街で労働にいそしむなか、俺とLittleは各地の酒場をめぐって仲間を募った。
「6,000キャットをくれ。メシと家を用意してくれたら、あとは何もいらない」
「御舘様がいなくなってから、拙者はただの無価値なヤギでしかない。拙者は忠誠を誓うために作られたのだ。旅の方よ、供をお探しではないか。5,000キャットであなたのために働こう」
「そこの旅人さん、健康には気をつけなさい。物騒な世の中だ、すぐ死んでしまうぞ。ところで、医者は必要ないかね」
「あんたは戦うことはできるのか?」
「俺は医者だ、戦士じゃない」(筆者注:初代スタートレックのドクターみたいで笑った)
「医者は必要だ、ぜひうちにこないか」
「そこで安全を保証してくれるなら、6,000キャットであんたのために働こう」
また、街にも安全な場所を求めて人が集まりつつあった。
彼は自ら逃亡奴隷と名乗り、俺達に庇護を求めてきた。
断る理由はない、Plantと名乗る彼をすぐ街に招き入れる。
ある程度街に人手がそろってくると、防衛に人手を割くことも出来るようなる。
防壁をより強固なものにランクアップするとともに、クロスボウタレットを壁の上に設置した。
これで門を破壊されるまでは弓の雨を降らすことが出来よう。
幾度か襲撃を受けたときの教訓を活かし、門も二重にした。
これで第一の門を破壊されるまで、時間稼ぎが出来るだろう。
防衛だけではなく農業にも力をそそぐ。
元々奴隷農園で働いていた仲間の技術を活かし、サボテンと小麦の農業を始めた。
井戸は風力発電で得た電力で動く仕組みになっていて、水を安定供給することが出来た。
こうしているうちに、隊商の一人から情報が入った。
「血の盗賊」と呼ばれる徒党が、我が街を襲おうとしていると。
「おい間抜けども!出てこい!!」
「さあ、友達になろうぜ」
そんな言葉信じられるはずないだろう。
彼らの暴力によって沢山の人々が犠牲になっている事実を知らないものなど、このHengには存在しない。
俺達にはもう、戦う覚悟と準備は出来ている。
クロスボウタレットの射手は敵将に狙いを定め、歩兵は武器を手に武者震いしている。
「タワケどもめ、死ぬ寸前までいたぶってやる!」
しかし、奴らはまったくツキがなかった。
盗賊たちが武器を取った瞬間、隊商たちが偶然通りかかったのだ。
重装備のキャラバンガードに一方的に打ちのめされたのは、盗賊だった。
俺は盗賊たちの頭と運の悪さに同情的になったが、やつらにはふさわしい死に方だと思った。
その後も何の間違いか、サムライまで拠点を攻撃してきた。
いかに重装備のサムライとはいえ、我らのクロスボウ射手にかなうはずがなかった。無残にもあのサムライが道端で朽ち果てていく。
死んでいるサムライから武器を剥ぎ取り、それを隊商に売った。
諸勢力との関係性は一気に冷え込んでいく。
しかし、奴隷制を積極的に維持しようとする人さらいと奴隷狩りたちだけは絶対に許せない。徹底的に戦って数を減らしてやる。
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賊に襲われるということは、Unityに実力がついてきたことの裏返しでもある。
理想郷を作るというマルコの夢は、まだ始まったばかりだ。
つづく。