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ゲームに関する備忘録

Kenshiプレーヤーストーリー大賞(公式HPの意訳)

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lofigamesの公式サイトにて「Kenshiプレーヤーストーリー大賞」が発表されていたのを見かけてなんとも胸に迫るものがあったので、筆者得意の意訳でご紹介しようと思います。原文は↓のURLより。

なんと投稿は2016年10月。こんな前からKenshiは強烈なポテンシャルを持っていたと考えると、やっぱりすごいゲームだなとしみじみ思います。それではどうぞ。

 

プレーヤーストーリー大賞

ナタリー(2016年10月7日投稿)

数週間前から、私達はプレーヤーストーリー大賞を企画していました。そして、それぞれのストーリーを読んで、Kenshiの世界にはとてもユニークな悲劇が起こり得る事を再認識しました。毎週投稿されるランダムなストーリーは、公式ストアページでは伝えきれていなかったKenshiでの経験をありありと描いてくれています。そして、プレイヤーの皆さんがKenshiによって気持ちが落ち込んだと聞くと、皆さんにイジワルが出来てちょっと嬉しいような気持ちになりました。

 

当初は大賞のみを紹介するつもりでしたが、沢山の良いストーリーを頂戴したこともありますし、それらもシェアしていきます。

大賞:男と犬

デフォルトから名前を付けなおすことを忘れてしまったけれど、主人公はこの山犬を、ポストアポカリプスの世界を生き抜くための相棒として育てている。彼らは家を探そうとしていて、街の外にある農園の小さな屋根裏のようなスペースを買おうとしていた。

 

大きな夢を抱きながら、彼らは農園を始める土地を見つけ出すべく、身を挺して冒険を始めた。厳しい日々が過ぎる中、彼らはついに、その日暮らしの盗賊に成り下がった事に気付いた。そして今、彼らはまた飢えている。ホーリーネーションの派閥からパンを盗んだことで、彼らは怒りを買ってしまった。彼らは走る。危険な未開の地に彼らが逃げ込んでいる事に気付かずに。

 

逃げ込んだ先で二人は、フォグマンと盗賊の群れが争っているのを見かけた。希望のない戦いだ。けれど、二人にとっては漁夫の利を得るチャンスに見えた。フォグマンや盗賊の装備を売れば、新たな生活を手に入れる事ができるだろう。二人は戦いの決着がつくのを遠めに眺めている。しかし二人は気づかなかったのだ、数十人ものフォグマンが、戦いに参加するために背後に迫っていることに。山犬がフォグマンの集団に吠え掛かったことで、主人公は逃げおおせることができた。悲痛な状況だった。山犬は昔、やっかいな連中から助け出された事があったけれど、今回は見捨てられるほか無い。主人公は古代の金属製の建物に隠れながら、自分の怪我を治療している。そして自分の子犬が打ちのめされ意識を失うのを、ただ眺めている。戦いは終わり、勝者であるフォグマンは、盗賊たちの死体を片手に巣へ戻っていった。

 

主人公は犬を治療しようと駆け寄る。しかし、彼も飢えから意識を失ってしまった。犬にもう一歩の所まで近づいたけれど、彼はもはや立ち上がる事ができなかった。必要な治療を受けられず、犬は出血多量で死んだ。それからすぐに、主人公は犬のそばで飢えて死んだ。

 

その後しばらくゲームをやめなければならなかった。

 

投稿者 エヴァン・ドハーティ(フェイスブックより)

 

ブログ筆者の感想

ああ、これこそKenshiだな、と筆者は思いました(月並みですが)

 

最初どれだけ高邁な思想を持っていたとしても、生き延びるためには盗賊にならざるを得ないという、世紀末な感じが胸に突き刺さります。しかも盗賊という生き方を選べば、エヴァン氏の主人公のように、たいてい幸せな一生を送ることが出来ないのがポストアポカリプスな世界のお約束ですね。

 

実は自分も同じような経験をしたなと、筆者としてはすごく懐かしい気持ちになりました。おなかが空きすぎた犬君が、ショーバタイのバーでパンを盗み食いしてしまって、主人公とあわせてお尋ね者に。サムライに追われ、主人公はあえなく牢屋にぶち込まれます。そしてノダチで切り刻まれた犬君は治療を受けることが出来ず、ただ道端で死んでしまったのです。

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この世界において主人公はなんてちっぽけな存在なんだと思いましたよね、ほんと。リヴィアのゲラルトとかドラゴンボーンだったら幾らでも挽回できたでしょうが、主人公はただの一般人なんです。しかも奴隷の身分に落とされてしまっている。首輪と足かせを付けられ牢に横たわる主人公に、何ができるでしょう。ただ死んでいく仲間を想うしかできないのです。

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ですが、この苛烈な経験がプレーヤーをさらなる成長へと駆り立てるんですよね。帝国許すまじ、奴隷制度反対、ホーリーネーション死すべし、こういった主人公達の感情がプレーヤーにまで入り込んできて、それがゲームプレーにも反映されていく。あたかも主人公と自分が一体になったような、そんな感情まで抱いてしまうのです。

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やっぱりKenshiって面白いですね、ほんとうに。そんな気持ちを思い出させてくれる、素晴らしいストーリーだったと思います。ありがとうエヴァン氏、そしてlofigamesの皆さん。

 

2019/2/15追記

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