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とてつもなく強力なエネルギーの揺れが観測された。Jompron星系を引き裂くそれは、別の銀河から来たものだ。奇妙な宇宙艦隊がこのポータルから次々とあふれ出している。そして彼らと連絡を取ろうとするもの達を次々と攻撃し始めたのだ。
我々は彼らの通信の一部を傍受したが、それは彼らが「遊猟」に沸き立っているように聞こえた。
これが彼らの艦艇のようです。性能はおおよそ検討もつきませんが、、。
Thimoidたちは静観を決め込んでいるのか。奴らなら対等以上に戦えるはず・・・。
たった今情報が入りました。
Thimoidの艦隊はJompron星系で敗北を喫したとのことです。
150Kの大艦隊を集めたThimoidは慢心したのか、「招かれざる客達」の艦隊に挟撃され、一方的に撃ち減らされたのです。
残りの全艦隊の7割を失ったとの情報もあります。
没落帝国ですらかなわぬ相手と、どう戦えというのだ・・・。
連邦各国の艦隊も成すすべなく虐殺されました。
Jompronの彼らを止めるものは、残念ながら何もないでしょう。
殿、Aiaster星系の惑星Balticaが・・・。
地表すべてが・・消滅しました。
やつらめ!一体なにが目的なのだ!!あの星には何十億人もの人が住んでいたのだぞ!もちろんオダの民だけではない!!!
すべてを破壊するまで、彼らは進撃をやめないのかもしれません・・・。
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ひとつ、また一つと織田家の惑星が焦土と化していく中、ついに一つの転機が訪れた。
そう、運命は織田家、ひいては銀河全体を見捨ててはいなかったのだ。
殿、あのThimoidたちが、我々の連邦加入を申し出ています。
まさかと思ったが、どうやらそのようだな。
やつらも一人では勝てないとやっと気づいたのだろう。
こんな状況下で過去の事を蒸し返しても意味はない。
いま生き延びるためには、各民族が団結するほかないのだ。
あなた方の提案を受け入れましょう。我々はAuspicious Axisへ参加します。
天下分け目の戦いは近い。我々も失った軍備をすぐに再構築するんだ。
もしかしたらこの戦、勝てるかもしれないぞ・・・。
官兵衛、光秀、頼むぞ。
承知しました、殿。
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織田家が艦隊再興を図るなか、ついに最後の戦いの火蓋が切っておろされた。
2468年4月。Thimoidの艦隊がタキオンランスを放ったことで、第三次Jompron星系の戦いが始まった。「招かれざる客達」はその砲撃をいなしながら、Thimoidの艦隊を正確に落としていく。
艦隊戦力はThimoid45.3Kに対し、「招かれざる客達」は星系内でも50Kあまり。これとは別に敵は、オダの惑星を蹂躙している150Kの別働隊も有している。
これは、信長が考えた一種の奇計であった。
一度に連邦兵力を大集結させてしまえば、敵の兵力集中を招き、いともたやすく虐殺されるだろう。しかし少数の戦力を、広い範囲から段階的に集めれば、敵がその危険性に気づく前に数的優位を作り出すことが出来るはずだ。
しかし、この作戦が成就するには、連邦を信頼し決死の覚悟で踏みとどまるという、悲壮な覚悟が前提条件だった。
2468年5月、連邦のKundan艦隊40Kも駆けつける。それに呼応し、49.1Kの敵艦隊もJompron星系に到達した。
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戦局が変わったのは2468年6月のことだった。
そう、我らがUnion of Oda Planetsの艦隊50Kが、星系に到達したのだ。
兵達よ!進め!進め!!
今こそ織田家の武勇を銀河に知らしめる時だ!!!
24年前の戦争を知る人たちは信じられなっただろう。
あの織田家とThimoidが、共通の敵と戦っているのである。
オダ、Thimoidから放たれるタキオンランスは、「招かれざる客達」の艦隊をひとつ、またひとつと宇宙のデブリへと変えていく。
そして、ついにそのときが訪れた。
Kundanの艦隊が、ポータルを破壊したのだ。
Jompron星系のポータルはついに破壊された!
これはもはや侵略者達に増援が来ないことを意味するのだ。
銀河には平穏だが、どこか満ち足りた空気が戻った。ポータルの破壊により、侵略者もまた、この広い銀河に霧散してしまった。
Kundanの艦隊は、ポータルに最後の一撃を加えたことで、銀河中から賞賛を得た。艦隊のクルー達は、新たな世代のヒーローとして、祝福を受けるだろう。
こうして織田家は銀河最大の危機を、宿敵であるThimoidと協力して乗り越えることができた。
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さて、危機を乗り越えた織田家。
この銀河で彼らはどのような存在意義を見出すのでしょう。
次回が最終回です。ご期待ください。