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(プロジェクトXのテーマで)
マルコ達には、気になっていたことが一つ、あった。
そう、それはビープ商会である。
未だに何も売れない。モノがひとつも、売れない。
消費者は腹をすかせている、それなのに何も、買わない。
マルコ達は悩んだ。
扱っているものはよそのバーと一緒である。
干し肉、サボテンスティック、そして酒。
なのに、モノがひとつも、売れない。
彼らは試行錯誤の末に、一つの答えを見つける。
「かつてジャパンという国で存在した、お正月をやろう」
これは、ポストアポカリプスの時代に生きる彼らが、
独自の解釈でお正月をする、挑戦の記録である。
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いつものように、閑散していた。ビープ商会トレイダーズエッジ店と名づけられたその建物には、今日も客よりも店員の方が多かった。
店頭販売のプロは言う、客より店員の方が多ければ、客は必ず警戒して帰ってしまうと。しかし、商売下手である彼らに知る由も無い。
いつもの営業会議が始まる。議題はどうすれば初めての売上がたつかだ。
マルコが口を開く。「さて、どうしたものか。南東から帰ってきてから、まだモノが一つも売れていない」
「ビープ」心なしかビープ君の声もか細い。
(それよりも被り物から頭がはみ出ていて可愛いのが気になる)
「バーン、相談があるんだ」マルコはそういってバーンの方を向く。「どうやって人を集めればいいかずっと考えていたんだが、やはり何か催しを開くのはどうかなと思って」
「催し?確かにいい案かもしれない」バーンも頷く。
「でもなマルコ、前みたいにUCの皇帝を売り子にするなんてのはいかんぞ」
(覚えとけ!必ず後悔するぞ!!)
「確かにあれはやりすぎだと思っている、ごめん。でもあれぐらいパンチのある企画はないかな、なんか」
「ではマルコ、オショウガツをやってみるのはどうだろう」
「オショウガツ?」
「昔々、かつてこの大陸の東側には、ジャパンという国が存在したらしい。そこでは毎年、オショウガツという謎めいた儀式を行っていた。国中から腕に覚えのある戦士や、獰猛な動物を集めてきて、ジュウバコと呼ばれたアリーナで戦わせていたんだ」
「なにその物騒な儀式」
「その儀式で勝ち残ったものが、その一年の名前を決めることが出来たらしい。例えば猟犬が10年程勝ち続けたときは、イヌ年が10年間続いたというわけだ。でも儀式自体は、ジャパンが滅亡したと同時に無くなってしまったんだ。国中から動物を集めること自体、大層な労力がかかっただろうから、仕方ない。諸行無常、歴史は栄枯盛衰の連続なのだ...」
そういってバーン先生は目を細める。マルコはそんなバーンを見ていると、オショウガツの存在を疑う気持ちが無くなっていくようだった。
しばらくしてマルコは口を開く。「まあ、トレイダーズエッジで闘技場を開くのはちょっと気が引けるけど、獰猛な動物を集めて展示するぐらいだったら、怒られないんじゃないかな。それにヘングで暮らしている人たちだったら、野生の動物を見る機会も少ないし、きっと興味を持ってくれるだろう」
そして3人は、探しに行くべき動物を3つ決めて、各々それを持ち寄った。
右からエビ、カニ、そして細く長いものだ。
(おれはエビなのか?)
これは中々良い宣伝になるのでは、そうマルコは思った。
早速店を開店すると、反乱剣士が一人、店にやってきた。
するとどうだ、剣士はビークシングに釘付けになって動かないではないか!
(引っかかって動けないだけ)
お客さんを一人釘付けにすることで、ちょっと流行っている店風にすることができた。しかし、当初の目的であるモノが一切、売れない。
マルコはビークシングに、店の外での宣伝を命じた。しかしそれが失敗だった。
聞き覚えのある悲鳴を聞いたマルコは、店の向かい側にあるトレイダーズエッジ警察署へと駆け込む。
スレイブマスターハガが、ビークシングに生きたままモグモグされていたのだ。
それを見守る反奴隷主義者の皆さん。モグモグされたところに包帯を巻き続けているけど、腹の減ったビークシングに対して回復が追いつかない。
さすがにかわいそうなので、マルコはビークシングを引き取ってユニティへと帰っていった。これ以上、ヘングの皆様に迷惑をかけられない。企画は完全に失敗に終わった。
果たしてビープ商会に初めての売上がたつ日が来るのであろうか。
(コガニをもって嬉しそうなビープ君)
つづく
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Kenshiプレイ日記をご覧の皆さん、どうも筆者です。
お正月ネタを思いついたのでKenshiを起動したら、見事に5時間が溶けました。やはり面白いですね、Kenshiは。
クリス氏からは続編の存在も発表されていますし、来年はその動向が楽しみでなりません。思い出したときに細々とこのプレイ日記も更新していくつもりですので、引き続きよろしくお願いします。
そして、遅くなりましたが明けましておめでとうございます!
2020/1/2 二日酔いだけどもうお酒が飲みたい筆者