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ゲームに関する備忘録

Kenshiプレイ日記36「帝国の残影と新たなる脅威」

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疲労困憊の様子でベッドに横たわる仲間達を見ながら、マルコは口を開く。

f:id:Mestral:20190119222048j:plain話す内容は勿論、あの「カワハギ」だ。彼らは人の生皮を剥ぐという残虐極まりない奇行を、なぜああも繰り返すのだろう。奪われた命の数を想像すると、憤怒よりも哀しさの方を感じてしまう。

ケルトンのバーンも、こればっかりは同意見である。鋼鉄の体を持つ同族であるとは言え、あまりに非合理的な目的で周辺に脅威を与える存在など、同情するに値しないだろう。

 

マルコが決めた方針の通り、ユニティはカワハギの連中を根絶やしにすることを、当面の目標として定めた。しかし、そのためには酸の雨に対する対策を考えなければならない。

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サノラスの暗黒という死の大地には、24時間いつも強酸の雨が降り注いでる。連中の本拠地を探す間に、体が溶けてしまっては元も子もないだろう。マルコ達が常用しているサムライ装備は、砂漠で活動するにはうってつけであるものの、酸の対策はまったく考慮されていない。

 

「耐酸性の装備を探し、これを量産する」

 

マルコとバーンはそのために一度ユニティへ戻ることを決めた。拠点にはユーゴという熟練鍛冶がいて、彼に設計図を渡せば最高級の装備を供給してくれるだろう。

 

全員がしっかりと休息を取った後、一行は北へ進路をとった。途中街を寄り道しながら、防具の設計図も確保していく。

 

ボーンフィールドという名前の荒野を通り過ぎようとしていたとき、奇妙な風貌の人間にであった。彼らは「ゴリロバンディット」と名乗る。ゴリロといえば、南東世界によくうろついている、あのゴリロのことだろうか。

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「コビトタチをナグルのはタノシイ」

「ハハハ、コビトタチをダキシメテヤル」

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人のように言葉を話すものの、とても理性があるようには見えない。格闘術に長けているようであるが、所詮、ユニティの戦士たちに敵う実力ではない。チャドやビープにとっては良いスパーリング相手になっただろうか。

休息をとったあと、再び北へ進む。

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空からレーザーが降り注ぐ危険な地域を通り抜け、

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なじみのある砂漠に帰ってきたところで、懐かしい面々に出くわした。そう、マンハンターである。

 

「あいつらは逃亡奴隷だろうか、俺にはそう見えるぞ、ああ」

いかにも低俗な顔をしたマンハンターが、そうつぶやく。

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「奴隷商人から報酬をもらえるなら、やり方なんて気にしなくていいだろ」

そういって棍棒を取り出し、ユニティの一行に襲い掛かる。

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まったくもって馬鹿な連中だとマルコは思う。これほど重武装の相手に対して、そんな人数で挑んでくるとは。また、このような連中がまだ砂漠に存在していることについて、マルコは驚いてしまった。奴隷商人達のキャンプをあらかた破壊したし、帝国貴族たちもほぼ全員がこの世にいないはずだ。

 

一人ずつ鉄拳をぶち込みながら、マルコは考えていた。カワハギとの戦いの後、砂漠を隅々までもう一度点検して回るのも、良いかもしれない。

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こうして拠点に戻ったマルコとバーンは、さっそくユーゴに設計図を渡す。作るものはもう決まっていた。Armored HoodとBlack Plate Jacketだ。それぞれ酸に対し25パーセント、40パーセントの耐性を持つ。

十数人分の装備を作るには、どんな熟練工でも相応の時間がかかるだろう。その間、マルコはかつての帝国領を見て回ることにした。

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ちょうどユニティの門を出たところで、一人のハイブに出くわした。その格好からして逃亡奴隷なのだろう。こちらに気付いたハイブは、手に持つ粗末な鉄棒を握り締めながら言った。

 

「逃亡者としての運は尽きたということか、ああ、あんたは俺を見つけたんだ。でもな、おれは鉱山には戻らんぞ。それに残念だが、奴隷商人に俺のことを報告させる気もないんだ、旅人よ」

 

追い詰められた様子の逃亡奴隷を見て、マルコは言う。

「誤解をするな、俺はお前の味方だ」

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その言葉を聞いても、奴隷は警戒を緩めない。

「この荒廃した土地で、誰が卑しい奴隷の味方になるというんだ。それに、あんたが俺をだまして奴隷キャンプに連れていかないか、簡単に信じられないね。警告しておくが、戦いなしで俺は屈服しないぞ」

 

「俺たちを信じてくれ、君を助けられるはずだ」

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「わかった。あんたは帝国の一般人とは違うように見えるな。でもな。奴隷キャンプのそばまで連れて行った瞬間に、おれはあんたを殺すぞ」

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こうして、ヘックスと名乗るソルジャードローンがユニティに合流した。

元々戦士だったこともあり、腕前は確かなようだ。傷を癒してもらってから、ストークの元で働いてもらうことにしよう。それに、ヘックスのように奴隷にされる人間がまだいるということは、どこかで奴隷商人達が残影のようにのさばっていることの証明でもある。いずれ全員に報いを受けさせてやるとマルコは考えている。

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ヘックスをユニティに送ってから、マルコとバーンはストートに向かった。

道中、カニバルの群れに出くわした。どこからとも無く野生のスキマーも現れ混戦となった。

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死肉をあさって満足したのだろう、スキマーはマルコ達に目もくれず去っていった。

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ストートの街に入ったとき、ちょうど街はカニバルの襲撃を受けていた。

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手負いのカニバルをビープが切り伏せる。

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それにしても、とマルコは思う。カニバルが砂漠にまで進出してきた事実に、危機感を覚えてしまう。帝国とホーリーネーションが瓦解した今、バストを超えてカニバルはついに砂漠まで生存圏を拡大したのだろう。街を襲うカニバルも、今は大した人数ではない。しかし、より多くの部族が参集すれば、今のストートの防衛体制では街を守りきれないかもしれない。

反乱剣士たちの治療をしながら、いずれはカニバルたちに鉄槌を下さなければならないとマルコは考えている。

 

拠点に戻ると、ユーゴによって遠征部隊全員の装備が準備されていた。新たな装備に身を包み、一同は満足しているように見える。これで、あの酸の雨に耐えることが出来るだろう。

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マルコ達は再び南へと向かう。目的地は勿論、カワハギ達の本拠地である。

つづく。