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ゲームに関する備忘録

RimWorldプレイ日記1「新天地」

扉を開くとそこには、見慣れない風景が広がっていた。

 

マルコは目をこすりながら、周囲を見回す。

 

そうだ、俺はちょうど旅行中だったんだとマルコは一人つぶやく。そして、自分が「旅行」という言葉を選んだことに対して笑ってしまった。そもそも帰る場所など自分に最初からあったのだろうか。

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孤児として育ったマルコ・イェイツは、他の例にも漏れず、いつも腹をすかせて大きくなった。そんな彼の人生の転機は、ふとしたときに学校で提出した一枚の絵だった。おいしそうに焼けたオムレツの絵は、街で評判となり、有名な美術館の片隅に展示される程にもなった。その時、勉強も運動も苦手で、温かい家庭も無かったマルコにとって、デザインは生きる目的の一つとなったわけである。

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周囲から期待されてVRデザインの仕事を得たマルコは、そこで壁にぶつかることになる。思うようなモノが作れずに苦悩する上、職場では穀潰しと罵られ、だんだんと自分のことが信じられなくなった。

 

ふっと職場を抜け、街を出たマルコは、宇宙船に乗り込んだ。行く先なら、どこでもいい。幼い頃の懐かしい記憶や場所なんて、彼にはなかった。着いた先で新しい生活を手に入れれば「元神童」なんて後ろ指を刺されずに暮らせるだろう。

 

「だけどさ、こんな辺鄙なところに放り出されるなんて」

 

あまりの唐突な出来事に、マルコは笑ってしまった。

 

それを聞いたウナイとハインズは、怪訝そうな顔をする。どうやら助かったのはこの三人だけで、これから協力してこの惑星で生き延びなければならないらしい。

 

あと、私のことを忘れるなといわんばかりに、猫が甘えた声をだす。そうだ、猫も一緒だ。

 

幸いなことに、宇宙船から放り出されたのはマルコ達だけではなく、非常用食料やわずかな武器や資源も、周囲には転がっていた。とりあえずそれを集めて、どこか雨風を防げる場所に保管しよう。

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ちょうど着陸地点の北側に、廃墟となった建物が点在している。木材で応急処置をすれば、手間をかけずに有効利用できるかもしれない。

三人はお互いの身の上話をしながら、黙々と作業を進める。

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元気に木を運び続けるウナイは、ちょっとばかり変わった人物のようである。農家の娘として生まれ、爬虫類学者となった彼女は、辺境の惑星でイグアナの研究をするつもりだったらしい。思いもかけず誰も知らない辺鄙な惑星に来れたことを、内心喜んでいるようだ。

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ハインズはもともと軍の科学者だったこともあり、知力や医術に優れているようだ。もっとも、寡黙な彼が喋るのはこれだけだった。

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黙々と作業を続けた結果、少しばかり手狭な宿舎が完成した。こんなド田舎なのだから、贅沢は言っていられない。当面の食料はあるし、寝る場所も確保できて、マルコ達は安心した。

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こうして、マルコ達の新たな生活がスタートした。

社交パラメーター平均0.33...という、人付き合いがとっても苦手な彼らに対し、この惑星はどのような試練を与えるのだろうか。

 

つづく。