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襲撃成功を祝った後、俺達はまた話し合いの場を持った。
「表立ってSlave Tradersの拠点を攻撃した以上、彼らの報復は苛烈になる」
「拠点防衛に力を入れるのであれば、さらに人員を増やす必要がある」
「これまで以上に技術や装備の質を上げなければ」
「もっと外の世界のことを知るべきだ」
こうして俺達は「技術力の向上」、「新規人員の確保」、そして新たに「外の世界への探検」という目標を設定した。
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Storkは単身World's Endに向かった。
一度訪れた事もある街だが、この世界で新しい知識を探すのにうってつけな場所である事に変わりないだろう。
そしてStorkはIyoという名のスケルトンに出会った。彼はここで歴史の研究をしているらしい。周りでは見たこともないワークベンチが静かに音を立てて動いている。
「やあ、こんにちは。私達はここで古代の失われた技術を研究分析しているんだ。非常にゆっくりだけど、忘れ去られた自分達の歴史が少しずつ明らかになっている。しかし大きな問題があってね、大多数の遺跡は盗掘の被害に遭っているんだ。だから、確かな証拠を元に理論を発展させるのが難しいんだ」
「なるほど、そうなのか(とても自分達も盗掘しているとは言いづらい)」
いかにもスケルトンだなとStorkは思った。理屈っぽい上に一方的に喋りまくる。しかし、どこか憎めなさをStorkは感じている。少しぐらい話を聞いてもいいだろうと、彼の話に耳を傾けることにした。
それに、過去の歴史を学べば、自分達の進む道が正しいか否か、判断する材料になるかもしれないし。
「だからtechhunter達がここに集まってくれるんだ。彼らは未踏の地を調査して、私達の研究に少しでも価値のありそうなものを持ってきてくれる。もし、君も冒険に興味があるのなら、私達は遺物収集にかなりのお金を払うつもりでいるし、見つけたものをここに持ってきてもらえないだろうか」
「わかった、覚えておくよ」
ここぞとばかりにIyoが一方的に喋った後、Storkは彼に質問をした。
「この世界の歴史について教えてくれないか」
「失礼ながらヨソモノさん、私に歴史を尋ねるということは、医者に薬学を10分で教えろと頼むのと同じことだよ。それに加えて、研究者によって主張する理論が全然違うんだ。もし君がもっと学びたければ、この図書館の本を呼んでみることをお勧めするよ」
「Holy Nationには最初の絶滅という神話があるが、それに対してはどう思う」
「最初の絶滅かい?私は伝染病の蔓延のせいだと確信している。しかし、Finch博士は異常な竜巻のせいだと主張しているね。どちらにせよ、我々スケルトンはその災難を乗り越えるのにちょうど良い装備をしていた。その代わりに人間性が犠牲になったけどね。それが我々と人間の大きな違いだろう、、」
「結局、俺達人間はどこから来たんだ?」
「Finch博士が主張するところによると、すべての人間は古代社会の外にいた小さな部族の直系の子孫だそうだ。古代人達はどこにいたと思う?彼らは世界の残りの部分から隔絶された場所に住んでいたんじゃないかと私は思うね。だからその破滅的な疫病は、スケルトンや部族の人間達に影響を与えず、古代人だけを絶滅させることが出来たんだ。でもね、繰り返し言うけど、我々がどうやって今に至ったかについては沢山の学説があるんだよ」
「君達スケルトンは覚えていないのかい」
「残念ながら、スケルトンの記憶は我々の身体よりも脆弱なんだ。もし私が古代人の社会で生活していたとしても、それを思い出せないんだ。信じて欲しいけど、理論家にとっては、心血注いで調査している時代にそもそも自分が生きていた可能性がある事自体、かなりのフラストレーションなんだよ」
好奇心で色々と聞いてしまい、つい長居をしてしまった。StorkはIyoに感謝と研究へ協力する旨を伝え、街を出た。
もし遺跡で彼らの研究に必要なものを見つけたら、また持ってきてやろう。
その後一度拠点に戻ったStorkは、Hengの東に位置するStone Campの討伐に参加した。
Storkからの報告を聞いてから、彼らは考えていた。
World's Endのスケルトンと奴隷を使役する人間たち、どちらの方が人間性を有しているか。
また、どちらの方がよりよい社会を築こうとしているかと。
もう奴隷解放に迷いはない。
奴隷が逃げる十分な時間を稼いでから、俺達はStone Campを後にした。
拠点に帰ろうとするその時、一人の元奴隷が駆け寄って来た。
「私はただの役立たずな奴隷だ」
「しかし、私も連れて行ってくれないか。私の人生があるのはあなた方のお陰だ。そして、その恩をどうにかして返したい」
Malko達は快く彼を仲間に加えた。
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外の世界の見聞を深めるにつれ、彼らの進むべき道は明らかになってきたように見える。
しかし、世界は想像していたよりも残酷だと、彼らはその目で知ることになる。
次回へ続く。