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仲間を募るために、俺はHoly Nationの領土に向かった。
途中巨大な手のようなものを見つけた。
噂によると、古代文明の名残らしい。
そうだとしたらきっと物騒なモノだったに違いないと思いながら、一心不乱に街を目指して走り続ける。
日が落ち始めたので、近くで休めそうな場所を探し始める。
水辺の近くに野営地を見つけた。
なんというか、言葉に出来ない気持ち悪さを感じた俺は、そそくさとその場を後にした。
そして、運よく村の明かりを見つけることが出来た。
不思議なほど静かな村だ。
酔っ払った村人だろうか。こちらに聞こえるように独り言を言っている。
「今日はCannibalを5人殺してやったぞ。やつらはよだれを垂らしながら今にも俺を食おうといきり立っていたが、こうだ!一振りで奴らをぶちのめしてやったんだ!」
俺は思わず問いかけた。
「Cannibal?もしかして人食いのことか?」
「あんたそんなことも知らないのか?良く生きてここまで来れたもんだな。ここはHoly NationとCannibalの紛争地帯だぞ」
そういって村人は俺に一通りのことを教えてくれた。
奴らに捕まれば村まで連れ去られ、いたぶって殺された後に食べられること。
そして奴らは近年、一人の指導者の下で団結し、勢力を増しているという。
長居は無用だと思った俺は、夜明け前に村を出た。
Holy Nationの首都、Blister Hillは退屈な街だった。
道端で宗教の勧誘をされたが、俺は耳を傾けなった。
もし神がいるとしても、こんな理不尽な世界を作るくらいだ、信じるに値しないと俺は思う。
バーが二件も並んでいるあたり、この国の国民達はよっぽど酒好きなのか、酒を飲むくらいしか憂さを晴らせない、貧しい人の集まりなのだろう。
ここで新たに二人を仲間に加えた。
一人は遊び人で、もう一人は元軍人だ。
彼らが戦力になってくれることを祈ろう。
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あいかわらず拠点には奴隷商人達の襲撃が絶えない。
しかし強烈だったのは、奴隷狩りたちが奴隷商人を奴隷にした瞬間に立ち会ったことだろう。
何を言ってるかわかりにくいが、こういうことだ。
街の前でクロスボウの矢が刺さったままの奴隷商人を、奴隷狩りたちが足かせをはめて持ち上げる。きっと身包みはがした後、逃亡奴隷として商人に売るのだろう。辺境の異国で働かされるに違いない。なぜなら近場だとその「逃亡奴隷」の身元がわかってしまい、奴隷商人達から報復を受けるに違いないからだ。
改めて奴らには主義主張や人の良心などないことに気付かされたとともに、やつらへの敵意は高まる一方だった。
街に戻った俺は、外征に向けて遊撃部隊を組織した。
今や街の防衛はクロスボウタレットで十分なので、人繰りの余裕もあったわけだ。
さっそく反乱農奴たちを見つけた。
覚えたてのカラテで奴らをぶちのめす。
賞金首たちの腹にも強烈な一撃をお見舞いする。
元々仲が悪かった貧農たちの野営地に襲撃を仕掛ける。
20人ほどを相手に5人と1頭で戦うのは少し辛いところがあったが、何とかやつらを倒すことが出来た。
周りの敵を攻撃していく中で、少しずつ装備も整ってきた。
俺がかぶっているのは昔「警察」と呼ばれた人々が付けていた防具だ。
軽いわりに頑丈なので、カラテとも相性が良いだろう。
その後もDust Banditなるならず者達の襲撃を受けたりしたが、正直言ってやつらはうっとおしいハエ程度の戦力しかなかった。
門の前で団子状態になるなんて、クロスボウの良い的じゃないか。
なんとも間抜けすぎるやつらだ。
こうして自衛以上の力を付け始めた俺達だが、更に強くなるためには古代の技術を学ぶ必要性を感じ始めていた。
街の道具屋に話を聞いていると、どうやらDead Landで古代技術を見つけることが出来るらしい。しかしそこにたどり着くには有毒ガスが広がるBlack Desertを通り抜けなければならないし、Dead Landには体を蝕む「酸の雨」が四六時中降っているらしい。
また、そこを守る機械たちも脅威となるだろう。
虎穴に入らずんば虎子を得ずとは、昔の人間はよく言ったものだ。
そして俺はついにDead Landに足を踏み入れた。
つづく。