さて、ここで15節まで終えた時点でのSPALの状況について確認する。
勝ち点22で10位となり、シーズン当初の目標である中位を維持できている。
メディアからも「予想外」との声が出ていることを踏まえると、それなりに結果を出しているのではないかと考える。
(ユベントスのアレグリも褒めてくれてるし)
しかし、今の状況に至るまでには少し困難が伴った。
開幕戦以降、3連敗を喫していたのだ。
そこで取り組んだのはMirco AntenucciのAMFへのコンバートである。
もともと純粋な点取り屋というわけではない彼に、1.5列目という役割を与えることで、チームのゴール前での組み立てに良い変化が出た。公式戦4得点5アシストと活躍を見せている。
また、チーム全体として戦術理解が高まってきたのも功を奏した。
長身のターゲットFWCerriへ長いボールを出し、そこからAntenucciが攻撃を組み立て、両ウイングが点を取るという流れが出来ているように思う。
この流れでスタメン選手の紹介をしていきたい。
まずはキーパーのAlex Meretから
ウディネーゼからレンタルで来た将来有望株。
19歳という歳でセリエB有数の実力を持つ。
正確は無口で黙々と仕事をこなすタイプ。
次は右サイドバックのManuel Lazzari
チームの都合上、本来のウイングではなくサイドバックでプレー。
守備面に不安があるのは仕方ないところだが、豊富なスタミナや運動量でそれをカバーして欲しいところ。フィジカルはそれなりにあるので、後はテクニック面だけ。
次はMichele Cremonesi
フィジカル面はたいしたことはないが、タックルやマーキングに自信を持つ。
ベテランらしくリーグカップ決勝など大舞台に充実を感じるタイプ。
チャンスがあればすぐ前に出たがるけど、正直やめて欲しい。
次はFrancesco Vicari
最近めきめきと評価を上げている若手センターバック。
190cm台と体格に恵まれ、最近はマーキングやタックルという技術も向上しつつある。いまのSPALの守備の要といえるだろう。出来ればセリエAに通用するクラスまで成長させたい。
次はCristiano Del Grosso
最近スピードの衰えが始まったものの、安定したメンタリティは魅力。
左サイドバックは人材不足が続いており、彼の代役が見つかっていないのがしんどい状況。
続いて中盤のMariano Arini
チームキャプテンであり中盤の要でもある選手。
ナポリやローマといったトップリーグのチームに所属していたが、出場機会に恵まれず、長年下部リーグでプレーしていた。
SPALではその能力を遺憾なく発揮。中盤でボールを追い回す役割をこなす。苦労人だからか、メンタル面はひらめきを除けば非常に優秀。
29歳でありこれからフィジカル面衰えていくことがネック。
次はSimone Pontisso
ユベントスからレンタルで来た若手選手。
守備より攻撃の組み立てに長ける選手。とはいうもののまだまだ若手であり荒削りな印象。引き続き長所を伸ばしていって欲しい。
次はMattia Finotto
リーグ開幕前まではここまでの活躍を期待していなかった選手。しかしここまでリーグ6得点と攻撃陣を引っ張る存在である。
決定力の数値はさほど高くないが、判断力や予測力といったメンタル面で優れており、それをスピードや加速力といったフィジカル面で底上げしている印象。
次はLuca Mora
彼もFinottoと同じく良い意味で期待を裏切られた選手。
セリエBでは彼のスピードに太刀打ちできないのかもしれない。
スタミナや運動量も非常に豊富。起用しだいではさらに化けるかも。
次はMirco Antonucci
開幕当初は「放浪のストライカー」なんてあだ名を付けられていた彼は、イングランドのリーズにも所属した経験があるなど、様々なクラブを渡り歩いている。しかしSPALでは現在充実した日々を送っている。
すでに述べたとおり、彼はAMFとしての才能を開花。ここまで4得点5アシストを記録しており、ゴール前での攻撃の組み立てに貢献している。32歳でありフィジカルの衰えも気になるが、今のポジションであれば息の長い活躍が出来るに違いない。
最後はAlberto Cerri
ユベントスからレンタルできた彼は、イタリア代表U21にも招集されるなど将来を嘱望される存在である。フィジカル面はセリエAでも通用するので、後は経験とスキルだけだろう。ユベントスに帰る前にSPALで成長してもらいたいところ。
手ごろな値段であれば買取も検討したい。
以上、15節までの結果とメンバー紹介でした。
戦術面についてはまた改めて記すことにします。