前回はこちら
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こうして宇宙の片隅に、巡礼者たちの国が出来上がった。
彼らの科学調査船は、彼らよりも前に知的生命体が宇宙で活動していた事実に次々と出くわしていた。
Mitin3号星にて、過酷な軌道爆撃によって廃墟となった先人達のコロニーが発見された。この巨大なクレーターは今から120万年前にできたものである・・・
まだ見ぬ異星人への思いをはせながらも、巡礼者たちは植民を開始する。
その途中には宇宙海賊との戦闘もあったが、これは難なく乗り切った。
程なくして彼らは、初めて同程度の知能を持った異星人たちと出くわした。
Democratic Celimy Regionsと彼らは名乗った。
信仰の対象である地球以外の国家と関係を深める意味はなく、早速国境を封鎖する。
そんな折、一つの出来事が彼らとの不仲を決定的にした。
科学調査船が見つけたある文書が、Celimyたちにとって貴重な歴史的遺物だったのだ。
「Regional Ruler」と訳されたその文書は、古代Celimy語で書かれたものである。Celimyたちにとってその文書は歴史的に重要であり、重要な情報が含まれているだろう。
お前達が「The Prince」の最後に残った原版を見つけたと聞いた。それは我々の歴史にとって大変貴重なものだ。その昔、海賊達によって原版は失われてしまったのだ。
それを返してもらえるだろうか?
巡礼者たちの態度は明確だった。その文書をこの世から抹消したのだ。
自らよりも劣っている考え方を尊重する必要はないのだ。
お前達に我々の文学を否定する権利はない!
必ず後悔させてやる!!
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次に出会ったのは「没落帝国」だった。しかし、その出会いは不幸な出来事が発端であった。
Sabik星系には、巡礼者たちにとって理想的な星があった。
Prophet's Retreatと名づけられたそこに移民が到達するのは時間の問題だった。
その時、首都に奇怪な通信が入る。
横柄な野蛮人どもめ、我々の聖域を侵していることに気付いていないのか?直ちにやつらを引き上げさせろ!さもなくばお前達に鉄槌を食らわせるだろう。
巡礼者たちはここは素直に引き下がるべきだと判断した。なぜなら、相手が没落帝国だと知っていたからだ。いくら領土が狭くとも、彼らは恐るべき科学技術を保有している。特にタキオンランスと呼ばれる武器は、巡礼者たちの艦隊をいともたやすく蹂躙するだろう。
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このようにして様々な障壁と出会いながらも、巡礼者たちは少しずつその領土を広げていくのであった。途中、Zaydranという種族を征服することで、さらに領土拡大は加速した。Zaydranは巡礼者たちと異なり、極寒の惑星でも生き延びることができたからである。
自らの文明を失った彼らは、奴隷となって開拓の尖兵となる未来しか無かった。
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このようにして、巡礼者たちの地球を目指す旅は始まった。
次に彼らはどのような障壁に出くわすのだろうか。
次回はこちら。